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(相続3-8)行方不明の弟を抜きにして、遺産分割協議できる?

 父が亡くなりました。父は不動産や預貯金などそれなりの財産を残していましたので、相続人で遺産を分割するための話し合いをする必要があるのですが、相続人の1人である私の弟(二男)が、20年前に内地に行ったきり行方不明です。弟を抜きにして遺産分割協議をして協議書を作成することができるのでしょうか。

 

  相続人が複数人いる場合、その全員が共同相続人として遺産を承継するため、全員で遺産分割を行う必要があります。遺産分割の当事者であるにもかかわらずその者を除外してなされた遺産分割は、原則として無効です。

今回のご相談では、弟さんも共同相続人の1人であり遺産分割の当事者にあたるため、弟さんを抜きにした遺産分割は無効となります。

 

 では、弟さんが見つかるまでお父様の遺産について遺産分割協議が出来ないかというと、そうではありません。共同相続人のなかに不在者がいるような場合には、次の方法で遺産分割を行うことが考えられます。

 

 まず一つ目は,不在者の財産管理人の選任を申し立て、選任された不在者財産管理人を当事者として、遺産分割を行う方法です。この方法による場合には、原則として、不在者の法定相続分を確保する必要があります。

 

 二つ目は、失踪宣告の審判を申し立てる方法です。失踪宣告とは、一定の期間生死が不明となっている不在者について、法律上死亡したものとみなすことができる制度です。この制度は、行方不明者を死亡したものとして扱うため、一定の生死不明期間を経過した後でなければ利用できません。生死不明の期間は、事故等により生死不明の場合は1年以上、それ以外の場合は7年以上とされています。

 

 今回のご相談では、弟さんが行方不明になってからすでに20年が経過しているとのことですので、失踪宣告の審判を申し立てる方法が考えられます。失踪宣告を受けることで弟さんは死亡したものとみなされますので、弟さんに子供など相続人がいないのであれば、失踪宣告後、弟さんを除いた共同相続人間で、お父様の遺産分割協議を行うことが可能になります。
 相続人の行方が分からず遺産分割ができないとお困りの場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。

 

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