Q 家庭裁判所が話し合いを続けても問題を解決するのが難しいと判断すると、調停から審判に移ると聞きましたが、調停と審判って何が違うんですか?
A 審判は、専ら審判のみによって扱われる別表第1事件(相続放棄、名の変更の許可、後見人の選任、養子縁組の許可など)と、調停でも扱われる別表第2事件(遺産分割、親権者の変更、養育料の請求、婚姻費用の分担など)の2種類があります。
遺産分割は、別表第2事件に分類されますので、まずは調停からスタートするのが通常です。法律上は、調停の申立てをせずに審判の申立てをすることもできますが、その場合は結局、調停に付されてしまうのが通常です。
調停による話合いでの解決ができなかった場合は、手続は審判に当然に移行することになります。審判は、当事者間の話し合いで解決を図る調停とは違って、裁判官が、当事者から提出された書類や家庭裁判所調査官が行った調査の結果など、種々の資料に基づいて判断して結論を出します。
審判は、裁判官が強制的に結論を出すわけですから、訴訟に近い手続といえます。
そして、この審判に不服があるときは、2週間以内に不服の申立てをすることにより、高等裁判所に判断をしてもらうこともできます。
不服の申立てをしないで2週間が過ぎた場合や、高等裁判所で不服申立てが認められずに最高裁判所への不服申立てをしなかった場合は審判は確定します。
審判が確定した場合には、その内容に応じて、不動産の名義を移すことができたり、金銭の支払を受けることができるようになります。相手方が審判の内容に従ってくれないときは、強制執行の申立てをすることもできます。
審判となった場合、裁判官の最終的な判断に従うことになるわけですから、法的な観点から主張を行ったり、的確な証拠を提出したりする必要性は、調停よりも高いということができるでしょう。
そのため、審判に移行する見通しとなった場合や、あるいは審判に移行した際には、法律の専門家である弁護士に相談する重要性はより高まるといえます。
くわしいことは沖縄弁護士会にご相談ください。