沖縄の相続に関する相談と弁護士のアドバイスを集めたサイト

(相続2-12)義父を,長年,介護してきた者に遺産分割は認められる?

2025.04.30

 先日、夫の父親(義父)が亡くなりました。私は、夫と結婚してから夫の実家で夫の両親と一緒に暮らしていました。夫には、弟が2人います。夫の母親は7年前に亡くなりました。義父は、亡くなる5年ほど前から介護が必要になりました。私は専業主婦なので、私がもっぱら自宅で義父の介護をしてきました。夫や夫の弟たちは、まったく義父の介護をしていませんでした。私がもっぱら義父の面倒を見てきたことを理由に、義父の遺産を相続することはできないのでしょうか。

 

 まず、子の配偶者は、相続人ではありません。したがって、あなたが義父の遺産を相続することはできません。被相続人に特別の貢献をしてきたことを考慮する寄与分という制度(Q2-5)もあるのですが、これはあくまで相続人が対象となっています。したがって、あなたが寄与分の主張をすることもできません。

 しかし、これでは、まったく介護をしていなかった夫と夫の弟たち(相続人)と比べて不公平になってしまいます。

 そこで、近年の相続法の改正で、相続人以外の親族でも、一定の要件を満たせば、相続人に対し、特別寄与料の請求ができるようになりました。

 特別寄与料の請求については、新たに民法1050条が新設されました。請求ができる要件としては、①相続人以外の親族が、②亡くなられた方に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより、③亡くなられた方の財産の維持又は増加について特別の寄与をした場合に、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払を請求することができるとされました。

 特別寄与料の金額は、まず請求する特別寄与者と相続人との協議で決めることになっています。この協議が調わないときまたは協議ができないときは、家庭裁判所に協議に代わる処分を請求することができます。

 家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して特別寄与料の金額を決めます。

 そして、家庭裁判所への請求ができるのは、相続開始及び相続人を知った時から6ヶ月以内、または相続開始時から1年以内とされています。

 特別寄与料は、相続人に対して請求するものです。そのため、相続人とのトラブルになってしまう可能性もあります。また、特別寄与料の金額は、寄与分の場合と同様、明確な基準が設定されているわけではありません。、そのため、相続人との協議や家庭裁判所での協議の際に、どのような根拠資料を用意しておく必要があるのかを考えておく必要があります。

 これらの点を考える必要があること、新しくできた制度であることなどから、特別寄与料の請求をするときには、専門家のアドバイスが重要になります。具体的に特別寄与料の請求をお考えの方は、是非一度、沖縄弁護士会に相談してみてください。

 

カテゴリー

サイト内検索


相談予約・お問い合わせ

【沖縄弁護士会 那覇】 098-865-3737
【沖縄弁護士会 沖縄支部】 098-934-5722
【沖縄弁護士会 名護支部】 0980-52-5559

電話による予約受付時間:平日午前10時から午後3時まで
(できるだけ電話またはWEBでご予約をお願いいたします)

 

相談センターへのアクセス

那覇相談所

沖縄弁護士会相談センター

(那覇市松尾2-2-26-6)
098-865-3737(予約制)

コザ相談所

沖縄弁護士会相談センター沖縄支部

(沖縄市知花6-6-5-102号)
098-865-3737(予約制)

名護相談所

沖縄弁護士会相談センター名護支部

(名護市宇茂佐914-3)
0980-52-5559(予約制)