Q 父(比嘉太郎)が亡くなり、母(比嘉花子)と私(比嘉一郎)と弟(比嘉二郎)の3名で父の遺産をどのように分けるのかについての協議がまとまりました。どのような形で書類にしたらよいのでしょうか。父の遺産は、実家の土地建物、預貯金です。
A ご遺族の間で特段紛争もなく、協議がまとまってほっとしておられることでしょう。遺産分割協議が成立した場合には、後日の紛争を防止するためにもきちんとした遺産分割協議書を作成する必要があります。また、不動産に関する遺産分割協議書は、不動産の所有権移転登記手続を行う場合に利用されますので、専門家に相談しながら作成されることをお勧めします。
遺産分割協議書の中では、次の点に注意をして記載をしてください。第1に、どのような遺産を分けるのかという遺産の範囲を示す必要があります。第2に、遺産分割協議は相続人全員(相続放棄をした方を除く。)の間で行われる必要がありますから、相続人全員で協議を行ったことを示す必要もあります。第3に、それぞれの相続人がどのような財産を取得したのかを明確に記載する必要があります。第4に、万が一遺産分割の際に分からなかった財産が後でみつかったときの処理についても記載しておいた方が無難です。
遺産分割協議書作成の基本的なポイントは、既に述べたとおりですが、沖縄弁護士会の法律相談では遺産分割協議書の作成についてもアドバイス可能ですので、ご利用をご検討下さい。以下に一応のサンプルを示しますので、参考にされてみて下さい。
遺産分割協議書(案)
被相続人比嘉太郎(令和**年**月**日死亡 本籍地沖縄県**市****一丁目2番地)の共同相続人である妻:比嘉花子、長男:比嘉一郎、二男:比嘉二郎の3名は、本日、遺産分割協議を行い次のとおり合意した。
第1 遺産の範囲
相続人全員は、被相続人の遺産が別紙遺産目録記載のとおりであることを確認する。
第2 相続人の範囲
相続人全員は、被相続人比嘉太郎について妻比嘉花子、長男比嘉一郎、二男比嘉二 郎以外には相続人がいないことを相互に証明する。
第3 相続人比嘉花子が取得する財産
1 土 地
所 在 那覇市****
地 番 1丁目2番
地 目 宅地
地 積 ***.**平方メートル
2 建物
所 在 那覇市****一丁目2番地
家屋番号 2番
種 類 居宅
構 造 鉄筋コンクリートブロック造陸屋根平家建
床面積 ***.00平方メートル
第4 相続人比嘉一郎が取得する財産
1 預貯金
金融機関名 *****銀行
支店名 ****支店
預金種別 定期
名義人 被相続人名
第5 相続人比嘉二郎が取得する財産
1 預貯金
金融機関名 *****銀行
支店名 ****支店
預金種別 普通
名義人 被相続人名
第6 後日あらたな遺産が発見された場合
後日新たな遺産が発見されたときは、相続人全員はあらためて協議する。
以上の遺産分割協議の合意を証するため、本書3通を作成し、各相続人が署名押印のうえ、各自1通ずつを所持するものとする。
平成 年 月 日
住所 沖縄県****
氏名 比嘉花子 (印)
住所 沖縄県*******
氏名 比嘉太郎 (印)
住所 沖縄県****
氏名 比嘉二郎 (印)
添付書類(略)
附属書類(略)