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(相続1-6)相続税はいつまでにいくら払う?

2021.11.03

 私の父が8カ月前に亡くなり、母と弟と私の3人で相続することになりました。父の遺産は総額5000万円です。遺産分割の話し合いはまだですが、法定相続に従って分割することになりそうです。
相続税の基礎控除額が変わったそうですが、相続税はいくらぐらい発生しそうです。また、いつまでにすればいいですか。

 

 まず、平成25年度税制改正により、相続税の基礎控除が、以下の通り引き下げられました。改正後の基礎控除額は、平成27年1月1日以降に相続又は遺贈によって取得した財産に係る相続税について適用されます。

(改正前)5000万円+1000万円×法定相続人の数

(改正後)3000万円+600万円×法定相続人の数

同じく平成25年度税制改正により、相続税の総額の計算における税率も以下の通り改正されました。

 

各法定相続人の取得金額

改正前税率

改正後税率

~1000万円以下

10%

10%

1000万円超~3000万円以下

15%

15%

3000万円超~5000万円以下

20%

20%

5000万円超~1億円以下

30%

30%

1億円超~2億円以下

40%

40%

2億円超~3億円以下

40%

45%

3億円超~6億円以下

50%

50%

6億円超~

50%

55%

 

 さて、相続税は、原則として相続開始を知った日(通常、被相続人が死亡した日)の翌日から10カ月以内に、被相続人の住所地を管轄する税務署に申告しなければなりません(相続税法27条1項)。これは、遺産分割未了の場合であっても同様ですので、ご相談のケースにおいても10カ月以内に相続税の申告が必要となります。

 

 もし、10ヶ月以内に遺産分割協議がまとまらない場合は、各相続人が民法の規定による相続分で相続財産を取得したもの想定して相続税の計算をし、とりあえずの形で、期限までに申告することになります(同時に、申告期限後3年以内の分割見込書の提出や、相続税納付の相談が行われることがあります。)。

 

 では、ご相談のケースにおける相続税について、検討してみましょう。

 まず、相続税の基礎控除額を算出する必要があります。ご相談のケースの場合、相続人が配偶者と子2人の計3人ですから、3000万円に、600万円と3を乗じて算出した金額を加えた合計額である金4800万円が基礎控除額となります。

 

 したがって、遺産総額5000万円から基礎控除額4800万円を控除した金200万円が、課税遺産総額となります。

 次に、各相続人に課税される相続税の金額を算出します。

 

 仮に、ご相談のケースにおいて、遺産分割協議により法定相続分と等しく遺産分割がなされたとします。その場合、課税遺産総額を法定相続分に従って按分すると、配偶者の相続分は2分の1ですから、お母さまの課税額は100万円となります。また、子2人の相続分は4分の1ですから、あなたと弟さまの1人あたりの課税額は50万円となります。

 

 かかる課税額に税率を適用し、それぞれ納付する相続税の金額を算出します。ご相談のケースの場合、お母さまの相続税額は金10万円、あなたと弟さまの1人当たりの相続税額は金5万円となり、かかる相続税額から、各種の税額控除額を差し引いた残額が納付税額となります。

 

 なお、配偶者については、申請により配偶者の税額軽減が受けられますので、お母さまが相続税として納税する金額は0円となります。
 くわしいことは沖縄弁護士会にご相談ください。

 

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